日立市諏訪町産廃処分場反対

日立市諏訪町の産業廃棄物最終処分場建設に反対するブログです。

日立市議会に請願書提出


 9月4日、新日本婦人の会日立支部は、日立市議会茅根議長に

「新産業廃棄物最終処分場整備候補地を撤回し、

自然環境、生活環境、道路交通の安全を守ることを求める請願書」

を提出しました。9月定例議会で審議されます。内容は次の通りです。

 

 

2020年5月26日、大井川和彦茨城県知事は日立市諏訪町の日立セメント太平田鉱山跡地を新産業廃棄物最終処分場整備の最終候補地としたことを発表しました。突然の指名に、私たち市民は驚きました。そして、候補地選定作業を非公開としたことが、反対運動を抑えるためのものだということに憤りを感じています。県は、笠間市にある最終処分場「エコフロンティアかさま」の後継施設として、2025年度の供用開始をめざすとしています。

 

 諏訪町の太平田鉱山跡地は2019年3月で採掘を終えた広い土地であり、道路から奥までを見ることはできません。周辺300m以内に住居はなく、生活環境への影響が他より少ないと評価されました。しかし、「エコフロンティアかさま」を見れば、産業廃棄物最終処分場ができてしまったら、自然環境の汚染、道路交通の安全確保困難、市内交通渋滞悪化など、私たちの暮らしが一変することは明らかです。

 

 周辺は「諏訪の水穴」「大久保の風穴」があり、地域の方々が井戸水を使っているほど水資源豊かなところです。沿線の鮎川は、歴史ある諏訪梅林や、子どもたちが遊ぶ市民憩いの場を流れています。また、生活排水汚染を正して川をきれいにし、鮎などの遡上が見られます。そして、海へと流れ込んでいます。水源に産業廃棄物最終処分場整備をしたら、豊かな自然や、市民の憩いの場が奪われてしまうのではないでしょうか。産廃大型トラックの通路となるのは、大型車がすれ違うことが困難な狭い道路で、歩道のない箇所もあります。危険を避けるためミラーが設置されている箇所が数か所あります。近隣に、保育園や小・中学校、高齢者施設、霊園、スポーツ広場、住宅団地などがあり、生活道路として歩行者、自動車等、日常、行き交っています。また、日立~常陸太田間の通勤道路としても使われています。とても交通安全の確保ができるとは思えません。私たちは、命と暮らしを脅かす新産業廃棄物最終処分場整備に反対します。

 

以上の理由から、以下、2点について、日立市議会として、日立市へ要請していただくよう要望をいたします。

 

(要望事項)

  • 新産業廃棄物最終処分場整備は、自然環境の汚染、道路交通の安全確保困難、生活環境の悪化をまねくと危惧されるため、茨城県に対して、日立市は受けないと回答をすること。
  • 新産業廃棄物最終処分場整備候補地問題について、県主催の住民説明会が開催されましたが、市民の意見聴取が十分におこなわれていません。市内全住民から、広く、意見を聴取するため、市主催による意見聴取の会開催や、アンケート調査、インターネットでの意見公募をおこなうこと。

 

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ちば様hpより引用です 産廃最終処分場住民アンケート中間報告

県産業廃棄物最終処分場に関する

住民アンケート結果(中間報告)

「建設反対」が86%

 5月26日、大井川知事は日立市諏訪町の日立セメント太平田鉱山跡地を新産業廃棄物最終処分場の候補地としたことを発表しました。日本共産党日立市議団は市民の多くの方のご意見をお伺いするため、以下要項でアンケートを実施しました(中間報告)。


・アンケート配布時期 2020年7月21日(火)~8月2日(日)
・アンケート配布地域、枚数 諏訪町全域、西成沢3・4丁目、鮎川町5・6丁目
計3870枚をポスティング
・集計期間と回答数 2020年8月31日(月)時点で309通
(アンケート郵送受付は9月30日(水)まで)


 309通の回答のうち、処分場建設に「賛成」が14通(5%)、「反対」が251通(86%)、「どちらとも言えない」が28通(9%)でした。意見欄には「空気が悪くなる・悪臭・騒音・健康を害する。反対」、「団地の密集地に処分場を計画すること自体、住民を無視した、計画者側の勝手な都合であり、反対する!!」などの意見が寄せられました。
 不安な項目として「道路交通」だけでなく「生活の安全」、「地域の自然環境」、「騒音」、「地下水(飲み水)の水質汚染」、「放射性廃棄物」など、偏りなく全般に渡っているのが特徴です。
 回答の背景には「県の決め方に納得がいかない」、「生活悪化が計り知れない」という疑問と不安があります。
 アンケート用紙は9月30日まで受け付けます。また今後は、SNSでも回答を受け付けるようにします。
 頂いた結果と意見は、県や市民の皆さんにお伝えします。日立市小川市長へは、今後予定されている「県の建設要請を受諾するか、断るか」を判断するための市民の声として届けます。


【下記ホームページよりアンケートの回答を投稿できます】

日本共産党JCP千葉達夫

 http://chiba-tatsuo.com/2020/09/02/sanpai/ 

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坂本博之弁護士学習会を振り返ってみる

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 7月26日、坂本博之弁護士をお呼びして、学習会を開催しました。「公共関与型産業廃棄物最終処分場問題について」のレジュメの一部を抜粋して、ご紹介します。  ※坂本博之弁護士「たたかう住民とともにゴミ問題の解決をめざす弁護士の連絡会」事務局長。

 

 【廃棄物処分場について知ろう】

廃棄物とは何か

廃棄物処理法2条1項
 「この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。」

有価物か無価物か
有害物かそうでないか
一般廃棄物と産業廃棄物

放射性物質及び放射性物質によって汚染された物は別の法律で規制
但し、原発から事故によって放出された放射性物質を規律する法律は、放射性物質汚染特措法しかない。

※残土は廃棄物ではない

廃棄物処分場とは何か

①中間処理施設と最終処分場がある

②最終処分場には3類型がある

a 安定型処分場:素掘りの穴を掘って、単純にゴミを捨て、埋め立てるもの
安定5品目(プラスチック屑、ゴム屑、金属屑、陶器・ガラス屑、建
設廃材)に限る。捨てられるものが化学的に安定であって、有害物質
を出さないことを前提とする。

b 管理型処分場:穴の底に遮水工(ゴムやポリエチレン等のシート等)を張る、放流水の処理をするなどして、有害物質が処分場外に漏れださないように管理するもの。

一般廃棄物最終処分場(家庭ゴミの焼却灰の処分場(例、東京都日の出町、福島県田村郡小野町)として利用されるほか、種々の有害物質を含む産業廃棄物処分場として利用されている。

c 遮断型処分場:処分場の周囲を完全にコンクリート等で覆って、絶対に有害物質が処分場外に漏れださないようにしたもの。鉱滓などを捨てる。

現代のゴミの特質はキケン

様々な有害物質の宝庫
 (ダイオキシン類、重金属類、無機塩類、未規制の有害物質、放射性物質)    処分場は例外なき欠陥物

 

処分場を造られることの問題点

・循環型社会に反する
・良好な環境が破壊される
・地域社会が破壊される
・田舎が都会の犠牲になる
   ⇒ 処分場に反対することは地域エゴではない

新たな処分場は必要か?

・少なくとも、住民が受入を拒否している場所に造る必要はない
・ゴミ処分場は余っている→ゴミの受け入れ価格が下落している→ゴミ処分場は「儲からなくなっている」→儲けようと思うと、危険なゴミを高額で受け入れることになる。

・最終処分場に持っていかない方法が検討されている(それが正しいということでは必ずしもない)

 

 【管理型処分場の問題点】

管理型処分場の生命線は、遮水工と放流水処理施設である

 管理型処分場は、様々な有害物質を貯蔵する。その有害物質を処分場外に漏出させないため、遮水工を設けて場内の有害物質が地下水等に漏出しないようにする。

 場内に降った雨水は、有害物質に触れるため、その有害物質を処理施設で除去してから外部の河川等に放流する。

遮水工の問題点

・ 最近の管理型処分場は、「多重構造」と称して、ゴムやポリエチレンの遮水シート(厚さ1.5mm程度)を2枚敷き、2枚のシートの間に不織布等の緩衝材を敷き、さらに遮水シートの下に厚さ50㎝程度の粘土層を設けることが多い。遮水シートが破損しているかどうかを確かめるための漏水検知システムが設けられることも多い。
・ 遮水シートは紫外線に弱い。
・ しかし、遮水シートの弱点は紫外線だけではない。ゴミの重力(特に処分場の斜面では、場所によって加わる重力に差があるから、常に強い剪断力が働いている)、ゴミに含まれる化学物質、作業による圧力が加わる。作業の際に重機によって破損することもある。
・ 遮水シートの継ぎ目(総延長数㎞に及ぶ)が最大の弱点。
・ 日本遮水工協会という業界団体も、耐久性の目安は15年としていた。
・ 粘土層は、必ずしも均一ではない。
・ 粘土層であっても漏水を止めることはできない。
・ 地下水は、遮水シートに対しても粘土層に対しても脅威となる。
・ 漏水検知システムは本当に的確に作動するのか?
・ 漏水検知システムによって汚水漏れが検知された場合の補修は本当にできるのか?
・ 多くの処分場で遮水シートの破損事故が発生している(東京都日の出町谷戸沢処分場、福島県小野町のウィズウェイストジャパンの処分場、千葉県君津市の新井総合施設の処分場、福岡県久留米市一般廃棄物処分場…etc)。

浸出水処理施設の問題点

・ 処理施設では、多くの重金属類等の有害物質は除去できない。
・ 処理施設では、無機塩類は除去できない。

      ⇒管理型処分場の下流では、しばしば塩害が発生する。

 

 【公共関与型施設の問題点】

事業者と監督官庁が同一であり、十分な監督を行うことができない

・様々な審議会、検討委員会には、批判的見地を持つ人、住民の立場に立つ人が委員に入ることはない。このたびの「あり方検討委員会」も、ご多分に漏れず、「ありき検討委員会」となっている。

行政が行うことは、民間の業者以上に、情報を隠す

・エコフロンティア笠間処分場(ふじみ湖処分場)を造る際にも、雨水ではなく、地下から浸みだした水が溜まったものだというのが住民側の見解であったが、県は、排水しているところを「危険だ」などと言って、決して住民に見せなかった。

お役所仕事

・全国的に見ても、公共関与型産廃処分場は赤字経営のところが多い。
  (山梨県環境保全事業団が北杜市に造った処分場は、埋立完了まで赤字となることが明らかとなったので、閉鎖された)  
・エコフロンティア笠間は、「オーバーナイトローン」でしのいでいた

・周囲の最終処分場よりも料金が高かったので、ゴミが集まらなかった

・役人がやっているので、2~3年で人事異動があり、無責任となる

 行政が最終処分場を作ってあげるということは、ゴミの減量の方向に働かないのではないか?

 

 【エコフロンティア笠間処分場の問題】

エコフロンティア笠間処分場

・最終処分場と焼却施設が併設されている
・焼却施設(高温ガス化直接溶融方式)から発生する焼却灰(溶融スラグ)は、「重金属等の溶出がほとんどなく、砂に似た性状を持つことから、当所では溶融スラグをこれら天然土木資材の代替品としてリサイクルしています」→しかし、やっていることは、「遮水シートの保護材」と称して、処分場に埋めている

回復しつつある自然が壊された事案

・もともと採石場であったが、湧水が激しかったために放棄された。→その後、自然が回復しつつあり、透明度の高い水をたたえた湖が出現し、各種のトンボ等の生息地となった。
・県がふじみ湖の水抜きを始めたら、周囲の住民の井戸水が枯れるということが起こった。


 【日立市諏訪町が候補地の処分場についての問題点】

・そもそも、どうして県が産業廃棄物最終処分場を用意してあげるのか疑問
・管理型処分場は例外なき欠陥処分場である
・上記の公共関与型処分場の問題点が全て当てはまる
・事業主体である茨城県環境保全事業団には、エコフロンティア笠間と同様の問題点がある
・廃棄物処分場が造られて地元が振興した実例は聞いたことがない

 

日立市諏訪町10・3産業廃棄物処分場建設ストップシンポジウムのお知らせ

産業廃棄物最終処分場の建設ストップ!!

『断固反対!日立市に処分場はいらない!!』

建設反対の声が寄せられています。

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日立市小川市長が「承諾しない」と県に回答すれば処分場建設は止まります。

そこで、産業処分場建設を止める取り組みを皆さんと一緒に考えて進めるため、シンポジウムを開催します。

皆様の声お寄せください。どなたでもご参加ください!

 ご予約不要、参加費無料です!

 

日時・場所
 
10月3日(土)
午後1時30分〜3時30分
多賀市民ホール 大ホール

 

新型コロナウイルス感染予防のため
マスクの着用をお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

市長要望しました

8月31日、市長に対し産廃最終処分場建設を認めないよう要望

 県産業廃棄物最終処分場建設に反対する連絡会は、8月31日、小川春樹日立市長に対し「諏訪地区への県営巨大産業廃棄物最終処分場の建設に反対する要望書」を提出しました。

 〈要望項目〉

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1、茨城県知事に対し、日立市内への最終処分場建設を受諾しない立場での意見具申をすること。

 2、日立市として、市民の意見を聞く会を小学校区単位に開催する等、市長は十分に市民の意見を集約すること。

 

 さわやかな空気、きれいな水、静音そして落ち着いた生活の確保は、私達が日常生活を営む上で欠かせないものです。日本国憲法は、国民の健康で文化的な暮らしを保障すると明文化しています。

 しかし、去る5月26日、突然、茨城県は、笠間市にある県産廃処分場「エコフロンティアかさま」の後継処分場候補地として、日立市諏訪町の日立セメント㈱太平田鉱山跡地を指定しました。

「エコフロンティアかさま」は、2005年の操業開始時、日本最大の公設産業廃棄物処分場で、県内外から、有害産業廃棄物や放射性廃棄物も受け入れています。それが、2025年頃には満杯となるため、処分場を(地元要望があれば焼却施設も)建設するというものです。

 現在、私達は、コロナ感染症パンデミック(世界的大流行)の中で、3密を避ける等苦しい状況にあります。患者は増加し、茨城では500人を超えております。この様な中で、県当局が、市の施設で、諏訪町を中心に住民説明会を40回近くも行っているのは、矛盾した対応と言わざるを得ません。
 一方、日立市議会は、3月から常任委員会、そして、特別委員会を非公開とし、市民の知る権利を著しく侵害しています。

 この間、私達は、「エコフロンティアかさま」を見学し、公開されている同事業団の資料等を分析しましたが、茨城県並びに一般財団法人茨城県環境保全事業団の説明は合理性を欠いていることに気づきました。私たちは、故郷日立を未来永劫、人々が安心して暮らせる土地とするために、要望をいたします。

 

〈要望の理由〉


1、「エコフロンティアかさま」への出入り車両数は、県が説明した一日100台よりはるかに多く、更なる交通渋滞、環境悪化、生活の質等の後退につながります。
*出入り車両は、産業廃棄物や一般廃棄物の収集運搬車(大型車や小型車)、職員車両等であるが、2018年、2019年に調査した8回の車両数は往復で429(178)台~574(298)台であり、一日平均車両数は486台(224台)である。(「第19回「エコフロンティアかさま」環境保全委員会(令和2年3月8日)資料」による。カッコ内は大型車。)

2、「エコフロンティアかさま」は、焼却施設と管理型最終処分場とを有しているが、ダイオキシン類などの有害物質や放射性物質、さらには大腸菌類等によって、大気、土壌、そして地下水等の環境が有意に汚染されている。
茨城県は、これ等の殆どを基準内としているが、「エコフロンティアかさま」の「モニタリング井水」や「地下水」のダイオキシン類の平均濃度が、全県域を対象とした地下水の環境調査の平均値の倍近くに達している等、今後の深刻な事態を予測している。(「令和元年度茨城県環境白書」及び「第19回「エコフロンティアかさま」環境保全委員会(令和2年3月8日)資料」による。)

3、 産業廃棄物最終処分場の候補地は日立市内で最も管内人口が多く、密集度も高い多賀支所管内にあり、候補地としては全く不適当である。

4、 太平田鉱山跡地は沢地であり、水が流れ、或いは溜まるため、河川及び地下水への広範囲の汚染が避けられない。

*「エコフロンティアかさま」とは違って、太平田は石灰岩(水成岩)層であり、化学的、物理的に変化に富むため、汚水の地下浸透など先々への影響は計り知れない。
なお、多賀地区の民家及び事業所の水源は、古来、地元の多賀山地に降った雨水であり、地下水であった。昭和30年代後半までは、地下水(井戸水)や沢水が生活用水であり、産業用水でもあった。久慈川の河川水を水源とする水道水の利用はそれ以降のことである。 2011年3月の東日本大震災時には市の水道が7日~10日間程断水したため、井戸水等に頼ったことは記憶に新しい。
また、昨夏、久慈川渇水で水道水源の確保が懸念されたが、将来を見通せば多賀山地を水源とする地下水の保全活用は極めて重要である。

5、 太平田は、東海第二原発から12㌔ほどの位置にあり、30㌔圏内が過酷事故発生時の立ち入り禁止区域内であるから、産業廃棄物最終処分場の新設は不適切である。設置された場合には管理が不可能となり、公衆衛生上の大問題が発生することになる。

  

 

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